ウチの隣は空き家です。
長い間空き家状態ですが、それなりに変遷がありました。
・・・・・ ・・・・・
以前は、2部屋ある小さなアパートでした。
駅前なので、それなりに入居者はありましたが、若い方が多かったように思います。
ある入居者が、水道関係のトラブルを起こし、それに嫌気をさした管理人さんは、アパートをやめてしまいました。
当時はウチの家も、管理人さんに土地を借りていました。
・・・・・ ・・・・・
ある日、突然、般若のような怖い顔をした管理人さんに、出て行ってくれと迫られました。
丁度、大きな地震があり、家の補修をしたころのことです。
補修で済ませるか、建て直すかの判断を迫られていました。
管理人さんは、建て直しを認めませんでした。
建て直すならよそで建てろ。
出ていけ。
出ていかないなら、〇〇年で出ていくと念書を書け。
その念書があれば、隣のアパートと一緒に売れる。
そうまくしたてました。
・・・・・ ・・・・・
話し合いをしようにも、管理人さんは口を開けば、暴言を吐いて怒鳴ります。
結局、相場の5倍以上の値を付けて、土地の購入を迫られました。
ほんの少し、値切ることが出来ましたが、それでもバカ高い土地代を払うことになりました。
両親からこの話を聞かされた時、裁判を考えました。
ウチはその時で30年、住んでいます。
借地権を考えれば、少なくとも、土地代は相場まで下げられるだろうし、
いきなり出ていけ!も、抗えるのではないかと思いました。
・・・・・ ・・・・・
小さな田舎の町の出来事です。
両親は、争いたくない、あくまでも話し合いで解決したいと言います。
裁判はあきらめました。
・・・・・ ・・・・・
管理人さんに相場の何倍ものお金を払い、住み続けることを許可されました。
驚いたことに、契約書も交わしません。
税金がどうだとか、何とか言います。
両親は憔悴しきっていました。
・・・・・ ・・・・・
当時は隣の土地とくっついて一筆の土地でしたので、切り分けることになりました。
後で知りましたが、きちんと家が収まるように切り離されておらず、
残ったアパート側の土地に、ウチの配水管が通っています。
あとあと問題にならないか、心配です。
・・・・・ ・・・・・
やがてアパートが取り壊され、改築工事が始まりました。
管理人さんは、私たちが出ていかなかったことがよほど腹が立ったらしく、
嫌がらせというのにふさわしい工事の仕方でした。
・・・・・ ・・・・・
隣の家は、ウチとすれすれに建てられ、圧迫感のあることといったらありません。
ガスメーターはウチの門を入り、こちらから確認しなければいけない位置に設置されました。
鬼の形相の管理人さんが、困惑するガス屋さんに怒鳴っていました。
・・・・・ ・・・・・
あれから20年がたち、隣の家には誰も住んでいません。
管理人さんが怒りに任せて、ウチに嫌がらせを尽くして建てた家。
誰にも愛されなかったのです。
それでも何人かは住んでいましたが、それも短い間でした。
中の間取りが、とても不便なのだそうです。
・・・・・ ・・・・・
そして、今。管理人さんは足腰が弱り、ほとんど寝ている生活になっています。
久しぶりに管理人さんが、ウチを訪れ、言うことには。
「隣の家の管理をしてくれ」
話を聞きますと、足腰が立たず、月に一度、隣の空き家の掃除に来ていたのも、もう出来そうにない。
代わりに掃除をしてくれと。
今までの経緯もありますし、管理人さんの娘さんに相談しました。
二つ返事。掃除してと。
普通は娘に頼みませんかね。
近くにお住まいなのですから。
ウチがよっぽど暇だと思っているのでしょうかね。
・・・・・ ・・・・・
まあ、仕方ないので、今日、午後に、母と掃除してきます。
鬼のような顔をして、ウチに嫌がらせをし尽くした管理人さんですが、
弱っているのを放置することもできませんので。
家族とも仲良く出来ていない様子が、哀れでした。
・・・・・・ ・・・・・
【PR】
まだ味わったことのないコーヒーと出会えるコーヒーサブスクPostCoffee【ポストコーヒー】